syabito’s blog

写人です。走り回ること、山に登ること、写心を撮ることが好きで、人呼んで「鮪」と発します。

自分で自分を褒めてあげたいです。

38年前を思い返せば、期待に胸ふくらませた希望に満ちた大雪でした。

社会人一年生は、いきなり白魔との闘いに胸躍らせたものです。

やる気満々も長続きしません。延々と続く渋滞に行く手を阻まれ、会社に着きません。

来る日も来る日も雪掻き。

そんな社会人人生のスタートでした。

f:id:syabito:20190630221238j:image

入社前年の秋からアルバイトで出社していました。そしてその年の暮れ、56豪雪です。

大学の4年間は印刷、製版を専攻し、卒論のテーマは「新聞紙オフセット印刷における製版技術の一考察」でした。

まさか、カメラマンになるなんて思ってもいませんでした。もちろん、写真撮ったこともありません。

右も左も分からないまま始まった報道カメラマン人生でした。

ある大先輩に言われた一言、

写真屋さんにはなるな。職人にもなるな」

当時、この意味が分からなかったのです。

そして、「写心」に辿り着きます。

「心で撮らないと、心に訴えられない」

そして、僕にとってのプロの流儀は、

「ブロはどんな劣悪な状況でも80点は取らなくてはいけない。そして、100点に近づけるために準備を怠らない人。アマチュアに圧倒的な差をつける人」

考えて考えて、何度も何度もロケハンを繰り返して撮影に臨みました。

きっと、大先輩の一言は、こういうことだったのだと思います。

「努力を怠るな」

20年ほど前、ある上司から、

「福田くんの写真は、今の業界で30年先をいってるな。報道写真を福井発で変えてくれないか」と。「そのために悪者になってくれ」。

「写心に技術はいらない」

部下や後輩たちに同じことを言い続けてきました。鬼軍曹と言われ続けてきました。

でも今、安心して一線を退くことができます。

f:id:syabito:20190630221249j:image

後輩たちから頂きました。

二回の大手術、まだまだこれからも闘いが続くことを思ってのことでしょうか。

勿体無くて履けませんよ。

鬼軍曹だったのに。

ありがたいことです。

 

そして、本日、最後の取材をしてきました。和田八幡宮の夏越の大祓。茅の輪くぐり。

カメラマン人生の締めにしては、なんとまあ地味な感じですが、それもまたらしいのかなと。どんな小さい取材でも全力を尽くす。そんな38年でしたから。

取材中はそんなことわすれていて、取材が終わってから、「あー、終わったなあ」と。

スゥーっと肩の力が抜けました。

 

一線は退きますが、しばらくは写心を撮らせてもらいます。

気持ちは変わりません。

ここからどこまでモチベーション保つことができるか分かりません。

まだまだ進化できるはず。

そう思ってる自分がいます。

そう思えてるうちは大丈夫かなと。

38年のカメラマン人生に自信あります。

「間違っていない」

だから、自分を信じて、これからも撮り続けます。