東の文殊の山の空が赤く染まり始め、
赤紫色の一日の始まりに心を休める時、
遥か西の彼方に沈み行く満月が、
たゆみない宇宙の営みを告げています。
満点の星をいただく天空を、
微かに流れゆく風に心を開けば、
煌く月の名の物語も聞こえてくる、夜明けの静寂のなんと饒舌なことでしょうか。
光と影の境に消えていった赤い月が、瞼に浮かんでまいります。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りする写心の定期便、「maguroストリーム」。
皆様の、お供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
必ずピンクに染まるはず。
どうしても見たかった夜明けのストロベリームーン。
数日前から引いた風邪の影響で喉痛く、声が出ない日が続いている。
大事を取ってルーティーンランは休養している。でも、4時に体内目覚まし時計が起こしてくれる。
カメラを手に西に向かって飛び出した。
予想通り、夜明け独特の赤紫に染まった西の空に、大きくてピンクに染まった満月が、今にも地平線に落ちそうな低い位置に煌々と輝いている。
昨夜は、今の時季、一番明るく輝く木星ジュピターが満月の側に寄り添っていた。明るい満月に負けることなく輝いて。
今は見当たらない。
サヨナラ。
銀杏の木の周りに咲いた黄色い花がそよ風に揺れている。
月は夜中ほとんど動かないのに、この時間どんどん西の地平線に沈んで行く。
西の空から昇る朝日に急かされるようにスピードを上げる。
あっという間に街並みの向こうに消えていった。と同時に東の空に朝日が顔を出した。
改めて、地球って回っているんだな。
文殊の山肌に赤く輝く、メガネ産地鯖江をアピールする「👓SABAE」のランプは、明るくなるにつれ、そっと消えて行きます。
次第に星のまたたきと月も、空と区別がつかなくなります。
お送りしておりますこの写心が、美しくあなたの心に溶け込んでいきますように。
写人がお送りした音楽の定期便、「maguroストリーム」。
お供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。