下弦を少し過ぎた月が、朧月となって暗闇に浮かび上がります。
徐々に白み始めてくると、今にも泣き出しそうな雲に覆われた空から朧月が消えてゆきます。
ポツポツ。
雨粒が顔を打ちます。
いよいよ泣き出したようです。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
40年ぶりぐらいに引っ張り出してきました。
モモ。
こんな人間になりたかったのです。
「福ちゃんのところに行ってごらん!」
何を相談されても、
いい考えを教えてあげられません。
慰めて欲しい人に、
心に染みる言葉をかけてあげられません。
迷ってる人に、
懸命で正しい判断を下せません。
出来ることは、
只々話を聞いてあげること。
これが中々難しいのです。
つい、無い知恵を絞って、
あーだ、こーだ、と話してしまいます。
40年前この本を読んだ時、
仕事では、後輩にはそうしようと決めました。
「何もしない」「何も言わない」
後輩が、
「あっ!そうかあ」
でも、仕事ってスピードが大事ですよね。
だから、いろんな陰口囁かれました。
臥薪嘗胆という諺があります。
正にそんな40年でした。
今、90歳の母親との生活でも同じです。
何でもかんでもしません。
本人が気がつくまで、とことん話を聞きます。
母親は一生懸命考えます。
表情見ていると、とてもいじらしくなります。
ハッと気付いて、自分でやり始めます。
教えてあげた方が、やってあげた方が早いと思うこと、時が多いです。
辛抱です。
自分で考えたことは絶対忘れません。
人に教えてもらったことは絶対忘れます。
でも、そのおかげで、辛いこと、きついこと、いっぱい経験してきました。
でも、いいんです。
いつか実がなってくれれば。
この本が教えてくれたんです。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。