syabito’s blog

写人です。走り回ること、山に登ること、写心を撮ることが好きで、人呼んで「鮪」と発します。

小さな巨人

白く汚れた真っ赤なマイカーが、

昨夜の予報通り、秋としては9年ぶりに、微かに黄砂が降ったと言っているような朝です。

見えるはずの、西の彼方の山並みが姿を消して、

どんより曇った空と区別がつかなくなっています。

かろうじて姿を見せる東の山並み上空が、僅かに白み始めて、日の出が近いことを告げています。

昨夜降った雨が作った水溜りに、はらはらと落ち葉が舞い降ります。

木々の紅葉も一気に色づきます。

これからのひと時。

写人が、あなたにお送りする写心の定期便「maguroストリーム」。

皆様のお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。

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黄砂か朝靄か区別がつかない雨上がりの街中で、木々の葉が上と下で色鮮やかさが増しています。

そんな落ち葉の絨毯を踏み締めるルーティーンは、なんと気持ちの良いことでしょうか。

ふかふかの天然クッションは、古傷を優しく覆い包んでくれます。

サクッ、サクッ、サクッ。

ガタッゴトッガタッゴトッ。

通り過ぎる列車の音が、足音をかき消します。
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行手を阻む水溜りに、

黄色く色づいた葉が一枚舞い降ります。

そんな光景を横目で追いながら、傍を走り抜ければ、僅かに波紋が広がります。

 

「彼女の存在は、難民にとっては偉大な保護者であり、世界にとっては正義を守る偉大な声であり、地球にとっては偉大な先駆者」

日本人初の国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さん。

「身長5フィートの小さな巨人

防弾チョッキにヘルメット姿で、紛争地区に臆することなく入る彼女を世界は評していましたね。

徹底して現場主義を貫いた姿は正に、

偉大な保護者であり、声であり、先駆者でした。

十数年前、あるインタビュー記事で、

「日本はもっと、人道的に大きな役割を果たさなければなりません。他に日本が生きようがあるでしょうか」と話していました。

なんて、心が大きい人なんだろうと、一発でファンになってしまいました。

退任後も、JICA理事長を務めて、生涯日本の国際協力に期待して、次の世代に夢を託していました。

また一人、偉大な日本人がこの世を去りました。

 

黄砂が通り過ぎて、街並み上空に青空が広がってきました。

山並みもビル群も輪郭がはっきりしてきました。

お送りしましたこの写心が、あなたの心に元気を届けられますように。

写人がお送りしました写心の定期便「maguroストリーム」。

皆様のお供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。

 

10月30日 6.54キロ 127.12キロ
#ルーティーン #ラン #running #run #2019 #風景