朝陽に輝いて赤く染まる頂きが、うっすら綿帽子を被っています。
そう、ここは天空の楽園。
コロナ禍、
当たり前過ぎた忘れていた古里福井の風景を再発見してみようと思います。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
標高1,115㍍。
686段を登り切った山裾にひっそり佇む刈込池。
満点の星空を仰げば、其処は微かにシルエットが浮かび上がります。
へっでんの僅かな灯りを頼りに、一段一段歩を進めます。
登山にはつきものの、最後の急登を駆け上がれば、
其処はまだ、赤い眠りの中です。
暁に夜空が染まり始める頃、
肉眼で見える星の数8600個が一つ消え二つ消えて、数えられるほどになると、天空にそびえる三ノ峰の頂に朝陽が当たり始めます。
やがて山全体が真っ赤に染まると、全く動かなかった池が少しずつ息をし始めます。
わずかに漣を立てて、白い〝息〟を吐き出します。
そして、息を止めると、
水面に映り込んだ綿帽子を被った山並みが、姿を現します。
ようやく高い山並みから顔を覗かせた朝陽が、池のほとりの色づいた木々たちに息吹を吹き込んでいきます。
フゥーッと一息。
何枚もシャッターを切るのがもったいない風景。
ここだぁーっ。
パシャッと一回だけシャッターを押します。
今年もあと少しで、この風景に出会えます。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。