めっきり夜明けが早くなって、
暁のグラデーションの中のルーティーンとなった。
天を刺すようにスクッと伸びた大麦のじゅうたん。
道端を覆い尽くす芝桜のじゅうたん。
そして、
早くも始まったハナエチゼンの田植え。
季節の移ろいを感じる朝。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
爽やかな春風が、
漣のように田んぼに張られた水をウェーブさせる。
植えられたばかりの10センチほどに育ったハナエチゼンの苗が、そよそよとなびいている。
早く育てよ。
根っからの食いしん坊が、むくむくと起き上がるのである。
ゴールデンウィークを前に、福井生まれの早稲ハナエチゼンの田植えを行うトラクターが唸りを上げているのである。
そんな日の日の出前、
一足早く実った六条大麦がお目覚めだ。
365メートルの天空から、文殊菩薩様が天の恵みを優しく見守っているようだ。
朝陽と競走できるまでに、
季節は移ろってきた。
真っ暗闇でスタートして、真っ暗闇でゴールする寂しいルーティーンとは、ようやくおさらばである。
刈り取りを待つ大麦や田植えを待つ田んぼに彩を添えるシバザクラが、朝陽に照らされて一層真っ赤に染まる時は、もうそんなに遠くないだろう。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。