東の空から昇って、一晩中煌々と照らし続けた満月が、西の空に沈んでゆきます。
強い北からの春風が塵を吹き飛ばしたおかげで、触ると切れそうなくらい輪郭が研ぎ澄まされた満月が、空気が透き通っていることを物語ります。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
昨夕愛でていた満月が、
深い眠りから覚めた朝、
〝サヨナラ〟
とでも言うように、静かに姿を消してゆく。
此処は、旧北国街道。
ピンクムーンとも呼ばれるピンクに色に染まった4月の満月を、古たちも眺めただろう。
西の彼方にぽっかり姿を表した満月を、一機の飛行機がかすめてゆく。
遥か天空を旅する旅人たちは、小窓から眺めているに違いない。
きっと、もっともっと大きくて眩い満月を。
漆黒に変わる前の僅かな時だけ、深青に染まった空に描かれた一本の軌跡が、
あっという間に雲のように変化した。
上空も強い風が吹いているのだろう。
気をつけて。
お堀が、まるで海のように波立っている。
天気は上々なのに寒くて我慢できない。
明日はおさまってくれ。
こんな願いが通じたのか、
一夜明けると、強い北風が嘘のように収まって穏やかな朝を迎えた。
上機嫌な一日のスタートとなった。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。