カーテンの向こうの遠い山並みが霧に消えて、差し込む日差しのないベットで心を休める時、
無機質な携帯電話から流れる鳥のさえずりが、起床を告げています。
ほとんど肌に感じない霧雨を、全身に浴びながら走り出せば、さらさらと流れゆく風も声援に聞こえてくる朝の静寂の、なんと饒舌なことでしょうか。
暑い梅雨空に阻まれた朝陽も瞼に浮かんでまいります。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りする写心の定期便。「maguroストリーム」。
皆様の、お供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
久しぶりにのんびりと過ごした三日間。
超一流の触れ合った三連休でもありました。
朝のルーティーンを終え、シャワーを浴びた後は、
その余韻を今朝も楽しんでいます。
なんと贅沢なひと時でしょう。
休日1日目。
母親と、フェニックス・プラザで開かれた人間国宝・坂東玉三郎コンサート「坂東玉三郎 世界のうた」へ。
歌舞伎の女形として、若い頃からテレビなどでは観てきた。生の舞台は初めてだし、歌を聴くのも初めて。
いろんなミュージシャンのコンサートは観て聴いてきたが、なんだろうか。こと感覚。とにかくビックリした。
約2時間、オープニングからエンディングまで、全くゆっくりとしたテンポが変わらない。
歌。MC。曲紹介。早着替えのための舞台への入退場。舞台での動き。バックオーケストラ紹介。
全てが歌舞伎の動きそのもの。
気をてらった動きや演出は一切ない。
その一定のリズムに観客は次第に酔いしれていく。
ゆっくりなのに、あっという間の2時間。そして感動。
心が豊かになったひと時だった。
休日2日目。
中学の後輩の店、キルトハウスで昨年に続いてのジャズライブ「夏のプレミアムジャズナイト Vol.2」へ。
福井のジャズ界の巨匠、アルトサックスの白井淳夫さん、テナーサックスの武田幸夫さん。
白井さんと言えば、日本を代表するバックバンドに所属して、アメリカの有名ジャズフェスティバルで名プレイヤーたちと共演を果たし、故郷福井に戻ってジャズ界を牽引している。
僕が三十数年前、社会人になった年、シライハウスというジャズバーを開店してこともあり、大好きだったジャズと酒を楽しみに通っていたのを思い出す。
そして、このライブもまた、最初から最後までリズムが変わらない。
酔いしれた2時間は、あっという間に過ぎた。
一音一会。
以前からすごく欲しかった一枚をゲット。
自宅でも、マイカーの中でも、喫茶店でもヘビーローテション中だ。
音楽は聴くだけの僕もサックスを吹いてみた。
後輩が丹精したワンプレートとともに、過ごしたひと時は至極の時だった。
そして、料理は、福井ブランドを代表する麻王伝兵衛さんの野菜と福井ポーク。
やっぱり、これもブレてない。
休日3日目。
一人ビートルズ・告井延隆さんのライブを楽しみに、HIVE Saezui(めん茶房さえずり)。
鯖江のよく通っているお好み焼き屋「笑庵」でバンドのボーカルをしている、おやっさんが毎回呼んでくれる。
若い頃から大好きだったビートルズを完全コピー。ビートルズのことなら知らないことはない。きっと本人たちより詳しい。
ギターを抱えて舞台の椅子に腰掛けたら、2時間、これまた全く変わらないテンポでライブが進行していく。
独特の雰囲気、名調子が実に楽しい。
ビートルズファンには堪らないひと時だった。
アンコール後は、これまた福井を代表する歌姫・絵利菜さんが告井さんのピアノで歌を披露するサプライズ。
絵利菜さんが大好きだという加藤登紀子さんの「紅の豚」。そして、告井さん自らリクエストの「アメージング・グレース」の二曲を熱唱。
2人の演奏の間合いも曲は違えど、また一定。
その道を極めた人というのは、独特の雰囲気を持っている。
そして、それはブレることはない。
ゆったりとした時間と空間、空気でありながら、時にすごく情熱的に聴こえたり見えたりする。
きっと、超一流の定義があるとすれば、そういうことなのかもしれない。
お送りしましたこの写心が、
美しくあなたの心に届きますように。
写人がお送りした音楽の定期便、「maguroストリーム」。
お供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。
7月16日 5.49キロ 61.47キロ
#ルーティーン #ラン #running #run #2019 #風景 #福井