syabito’s blog

写人です。走り回ること、山に登ること、写心を撮ることが好きで、人呼んで「鮪」と発します。

〝私〟を最後まで愛でて。

花筏

春風の悪戯に宙をはらはらと舞う姿。

桜が一番美しい姿だと思う。

桜って、ピンクの蕾から咲き始め、満開、散り始め。そして散った後まで美しい。こんな花は他にない。

やはり、日本の心なんだ。

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福井城址のお堀端の桜も強い春風に、雪のように舞っている。

風向きが変わるたびに、無数の花びらが全身に人懐っこくまとわりついてくる。

まるで、花びらのシャワーを浴びているようだ。

 

「最後まで私を愛でて」

 

刻一刻と水面の花筏は姿を変える。

渦を巻いたと思えば、右に左にゆらゆら。

そんな筏にカモたちが乗っているように、放射状に波紋を残す。

なんと風流な光景なんだろう。
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早朝5時。

東の空に明けの明星が瞬いている。夜明けが近づくにつれ、姿を消していく。

誰もいないお堀は春とは思えないほど冷え込んで、ピーンと張り詰めた空気感は真冬並みだ。

夜明け前。暁のころが最も風景が神秘的に見える時。

風も波も穏やかで時が止まっているようだ。

一羽のトンビが、オレンジ色から濃紺のグラデーションを見せる空に、くるりと輪を描いた。

きっと花見と洒落込んでいるのだろう。

 

昼間と早朝では、これだけ雰囲気が違う。

カモたちが、ガアーガアーとお目覚めだ。その鳴き声でさえ、ビル群にこだまして幻想的だ。

日本人で良かったと思う瞬間だ。

4月13日 7.22キロ 78.71キロ

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