古里をぐるっと空散歩。
福井空港〜あわら〜三国〜福井〜小浜〜敦賀〜武生〜勝山〜丸岡〜福井〜福井空港。
ホント福井って美しい。
何十年。何百回。何千時間。フライトは楽しいことばかりではなくて辛い時も。
22年前、ナホトカ号重油流出事故。
正月早々の2日に島根県沖の日本海で沈没したナホトカ号の船首部分が福井沖を漂流。7日朝、東尋坊沖に達したため出動。暴風雨の中のフライトだった。東尋坊の遥か沖合で漂流する船首を発見したものの、窓を開けると風雨が容赦なくカメラを打ちつけた。このまま北上すると思われたため帰投したんだけど、な、な、なんと、潮の流れが急変して夕方には雄島北側の安島の海岸に漂着してしまった。その後は皆さんもご存知の通り、重油との闘いが。
船首部分が撤去され終息宣言が出されるまでの半年近く、何度フライトしただろう。辛かったなあ。でも、GWが始まって蘇った真っ青な海を上空から見たときは撮影しながら涙でファインダーが滲んだなあ。半年間、真っ黒な海ばかり見てきたから込み上げてしまってね。
15年前、福井豪雨。
福井市内を流れる足羽川が耐えられずに氾濫した。木田橋上流約100メートル地点で溢れ出す瞬間を目の当たりにした。見る見る市内が茶色の濁流に飲み込まれていく。家も車も。全て。
その後は皆さんもご存知の通り、泥との闘い。
次々とヘリで救助される人たち。崩れ落ちた橋、鉄橋、山肌、住宅。上空から見ていて涙が溢れ出た。
でも、今、穏やかな古里を上空から眺めていると、この美しさって、苦しみを乗り越えたからこその美しさなんだって。心からそう思うよ。
そして今朝もルーティーン。古里を朝日が優しく包み込む朝。
2月27日 3.7キロ 112キロ 212.9キロ
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