真っ暗闇の宇宙を見上げると、ポツリポツリと雨粒が顔に当たります。
「悲しいことでもあったのか」
号泣ではなく、時々溜まった涙が溢れる程度の雨です。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
連日、軽石被害が伝えられています。
1997(平成9)年1月のナホトカ号重油流出事故を思い出します。
正月早々でした。
「島根沖で転覆したタンカーの船首部分が福井沖を漂っているからヘリで向かってくれ」
お屠蘇気分もそこそこに福井空港から三国沖合に向かいました。
海上保安庁の巡視船に見守られながら、荒れ狂う日本海を悠々と北上する船首を見つけた時、
「沿岸からはかなり離れているし、このままなら日本を通過するだろう」
と思いました。
写心。撮り終えて空港に戻り、お昼ご飯とコーヒーで冷えた体を温めて一服していた矢先、
「どうやら、三国に向かっているらしい」
の第二報。
「エーーーッ!そんなバカな」
はるか沖合を通過していたはずの船首部分が、冬の強風と変わった潮の流れで押し戻されて、三国町安島の海岸に漂着してしまったのです。
あっという間に、流れ出た真っ黒な重油で海岸が覆い尽くされてゆきました。
バキュームカーで吸っても吸っても埒があかず、ヘドロのような海を見て地元の海女さんらは口々に、
「海が死んでしもた」
誰もが、
「きれいな三国の海は、もう戻らないだろう」と。
4カ月後、
「取り戻そう!日本海」
を合言葉に頑張った人々と自然の力できれいな海を取り戻しました。
重油流出事故は人災と天災が重なった災害でしてが、今回の軽石被害は自然災害。必ず克服できます。
頑張ってほしいと思います。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。