激しい雨音で目が覚めた朝、まだまだ闇の中のカーテンの向こう側の景色も雨煙でかき消されます。
バチバチと屋根を打つ音がバイクを漕ぐテンポ代わりです。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
小雪が過ぎ、霙や霰が混じる肌寒い朝、勝山市北谷町の谷峠辺りでは、昨年より1カ月近く早く除雪車が出動したという便りが届きました。
平野部でも霰が降って、ばあさんはカーテンを開けて覗き込みながら、寒い寒いを連発してました。
先日、久しぶりにばあさんを連れ出しました。
まず、越前陶芸村。
紅葉すっかり終わり、初冬の佇まいの〝村内〟。散策するつもりでしたが、駐車場を出て50メートルほどで、
「もう疲れた。歩けん」
心臓が大きくなっているせいか、すぐに息が上がります。とても心配です。
次に向かったのは、劔神社。
一本だけでしたが、紅葉真っ盛りでした。
陽光にキラキラ輝いて、
「きれいやの」
ばあさんはご満悦でした。
お参りを済ませ、境内参道をゆっくりゆっくり。手を引いていても、ほとんど進んでいないほどゆっくりです。
50メートルほどが遠く遠く感じます。
途中、お約束の。
姫の顔が高くて、ほとんど頭しか覗いていないばあさん。精一杯背伸びしています。
子ども用に切り株で作った台があるのですが、年寄りには登れません。
食欲はある方だと思いますが、最近色が細くなってきました。残して半分以上代わりに食べます。
「沢山食べんと大きくなられんよ」
「あほ、とっしょりは縮む一方や」
と言いながら、甘いものには目がありません。
「甘いもん食べ過ぎたら、先生にちくるざ」
「あほ、ほんなもん言わんでいい」
とてもとても心配です。
息子もこのままでは太ってしまいます。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。