澄んだ〝旬〟の空気を体いっぱいに取り込んで、一日のスタートです。
果てしない青空を彩る夜明けのグラデーションが、背中を押します。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
社会人にも慣れた頃、あるニュースを目にしました。
がんの告知。
30年ほど前でしょうか、
患者が医師から治療内容について十分な説明を受けられるように、「患者の管理法を作る会」がインフォームド・コンセント(説明に基づく同意)などを盛り込んだ法律を作るように厚生大臣に申し入れたというものでした。
この頃、本人に対する、がんの告知はほとんどされていない時代でした。
家族は本人に知られないようにひたすら隠す生活を余儀なくされていました。
しかし、今では、ほぼ100%でしょう。
世論の要望が高まったことも要因の一つでしょうが、治療技術の進歩によって治る確率が飛躍的に上がったことが大きいと思います。
当時、このニュースを見た時、
「知りたくない患者さんも多いよなあ。告知するにしてもすごく難しいだろうな」
と、感じていました。
「治るあてのない病名を聞かされても…」
三十数年後、自らに降りかかるとは思ってもいませんでした。
「失礼します」
検査の結果を聞きに主治医を尋ねて扉を開くと、ドクターの横に女性の看護師が座っていました。
ただならぬ気配を感じました。
「福田さん、検査の結果、横行結腸大腸がんで肝転移があり、ステージ4となります」
大腸カメラの際の画像を見て、予想はしていました。
それでも、改めて病名を告知されると目の前が真っ暗になりました。
両方とも手術で取り切れること、
抗がん剤治療を併用すること、
今後の治療方針を丁寧に説明してもらいました。
傍らの看護師さんが、ドクダーいないところで、精神的なケアもしてくれました。
告知がほぼ100%の時代にあっても、患者さんによって大きな差があると思います。
告知は、治療以上に高度な医療行為だと強く感じました。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。