妖しいオレンジ色の丸い月が、
東の彼方に沈んでゆきます。
川面に映る信号機の点滅や街灯が、
天空の星の瞬きと重なります。
いつの間にか星の瞬きの姿が見えなくなると、
辺り一面が霧に包まれています。
そして、漆黒から少しずつ青みを帯びる空が、
夜明けの近いことを告げています。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
午前4時半、いつものように飛び出すと、
満月を明日に控えた待宵月の妖艶な姿が目に飛び込んできました。
燃えているように赤くて低い低い月は、先を急ぐように街並みの向こうに消えました。
昨夕、オレンジ色の姿で昇って、天頂に向かうに連れ真っ白に。
人知れず一晩中掛けて、元の姿に宇宙の営みの神秘を感じます。
始まりと終わり以外は深い眠りの中でしたが、瞼の奥には七変化が浮かびます。
そして、月からバトンを受け取った太陽を、2本の飛行機雲が、まるで月を追いかけるように貫きます。
昨日、若狭高校の生徒が作った宇宙サバ缶のお礼にと、400キロ上空からの若狭湾の写真を届けてくれた野口聡一さんは、どの辺りなんでしょうか。
宇宙で食べるサバ缶はどんな味なんでしょうか。
地上ではソメイヨシノがもうすぐ満開を迎えます。宇宙からもピンクに見えるのでしょうか。
聞いてみたい話は尽きません。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。