今回の証拠写真はここへ。
「明日、コスモス見に行くざ」
「明日は世田谷食品来るんやであかんわの」
「はあ?また味噌汁頼んだんか」
「ほや。寒なったでの」
「ほんなら5時出発やざ」
「ほんな早よ、どむならんわあ」
「朝陽がきれいなんや」
「化粧いっぺんせなあかんし」
「ほんな早よ誰も見てえんわ」
「また証拠写真撮るんやろで、せな」
「…」
午前6時過ぎ、西の彼方の空が少し赤くなってくると、
一面に広がったコスモスがパァーッと明るくなりました。
「きれいやろ」
「すごいのお。何本あるんかのお」
「一億本」
「数えたんか」
「い、や、そういうわけでは…」
「今年は中止やけど、いつもは花トラが走ってるんや」
「こんなとこにいるんか。あぶのねえんか」
「はあ?」
「今年は多いんやろの」
「…」
「クマちゃうって。トラやトラ」
「なお、あふねえがの」
「花の中を走るトラクターやっ」
「ほんならほう言わな分からんて」
「…」
「あそこまで登れるか?見晴らしいいんやって」
「あたしは大丈夫やけど、寒うなってきたし、早よ証拠写真撮って帰ろっさ」
「はいはい」
「ところで、そのスマホ、何枚撮りや?変えんでえんか」
「変える?フィルムでねんやで、何万枚って撮れるわの」
「便利なもんやのお」
誰もいない宮ノ下コスモス公苑にふたりのさぶい会話が響き渡りました。
北風ピープー、よお冷えましたとさ。