深い霧の中、街灯の灯りだけを頼りに飛び出します。
遥か遠くを行き過ぎる車のヘッドライトの輝跡が瞼の奥に残像となって浮かびます。
だんだん白んでくるに連れ、オブラートに包まれたように、柔らかな風景が目に飛び込む夜明けは、穏やかな一日の始まりです。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
飛べ!飛べ!飛べ!
霧がだんだん晴れて、文殊の山が薄っすら姿を見せます。
立春を過ぎても、身を切るような寒さの朝でしたが、
暖かい朝を迎え、路端の菜の花もシャンと天を向いています。
霧の中に、街の灯りが一つまた一つと灯り始めて、街の営みを告げています。
ルーティーンを終えて、
「帰ったよ」
化粧鏡に向かって変身中の母親が、
「今日は〝じゅじゅ〟やで、早よ〝ジュース〟作って風呂入んね」
じゅじゅとは、なぜかデイサービスのことです。
ジュースとは、毎朝一緒に飲んでいるグリーンスムージーのことです。
風呂から上がって、ジュースを飲みながら、
「あんまり甘もないな。フィリピンやろ?」
「ほや。安かったでな」
「やっぱ台湾でないとあかん」
スムージーに必ず入るバナナの原産地の話です。
毎朝、そんなたわいもない会話で盛り上がります。
そして、新型コロナウイルスの話題に。
「80歳代のおばあちゃん亡くなったなあ」
「ほか。あたし、88やで危ないな」
「ほや。手洗いとマスクせなあかんざ」
「あっ、今日バレンタインや」
「おっ、くれるんか」
「じゅじゅのおやつ、チョコやなあ」
「なんや。おやつたかっ」
「あっ、金曜日やで、たまった新聞投げてきて」
「ああ」
「ほうや、あたし、636やで、89やな」
「はあ?」
どうも、昭和6年3月6日生まれのことのようです。
「メモリ二つんなったで灯油入れてや」
「分かった分かった。帰ってきたら入れるわの」
話が飛びまくってついていくのに必死の息子です。
朝はいつも、こんな感じです。
すごく忙しいです。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に元気を届けますように。
写人がお送りした写心の定期便「maguroストリーム」。
お供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。
2月14日 7.55キロ 🏃♂️44.62キロ
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