手荒な目覚ましに叩き起こされた朝は、
いつにも増して寝起きのいい朝となりました。
カーテンの向こうから聞こえてくる雨音は、
ショパンの調べとは程遠い、激しいハードロックです。
すわっ!雪起こしかと、恐る恐るカーテンを開けましたが、ホッと胸を撫で下ろします。
暗いリビングで朝食をしていると、強烈な日差しが差し込みます。
福井の冬らしい営みに苦笑い。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
今日は鯖江市の65回目の誕生日です。
昨夜は母親と、ライスワインで乾杯しました。
この地で暮らし始めて半世紀。
数軒ほどの建て売りでした。
「抽選で当たったから引っ越すよ」
亡き父の突然の一言で鯖江市民決定でした。
「ただ?」
「ほんなわけないやろ」
複数申し込みで抽選になったようです。
目の前が公園という一等地でした。
「お兄ちゃん、いつも走り回ってたよ。足早かったからの」
「覚えてるわ。ゴルフボール追っかけてたなあ」
「暇さえあれば、パパと近所のお兄ちゃんとキャッチボールしてたんやざ」
「おお。それも覚えてる。意味もなくユニホーム着てたなよなあ」
当時、辺りは建て売り以外何も無かったので、父がゴルフの打ちっ放ししてました。ドライバーです。ボールを拾い集めるのが僕の役目でした。現在の体力の原点かもです。
当時の家と親父自慢の愛車ブルーバード510。
一緒に写っているのは、おじいちゃん。
「アルトCPスタジオ」は親父が営んでいた写真店名です。
「パパは東京で映画キャメラマンやったんやざ」
「知ってるって。東京で結婚したんやろ。俺は江戸っ子やな」
「馴れ初め…」
なんか恥ずかしくて、これ以上聞けなかったです。
僕が生まれて直ぐ、FBCが開局するというので呼ばれて帰福。コマーシャルなどの主にスチールを撮っていました。
「お兄ちゃん、モデルやってたんやわ」
「覚えてえんけど、写心残ってるな。ギャラは?」
「ほんなもん、ただや、ただ」
二人で大笑いしながら、夜が更けるのも忘れて盛り上がってました。
今では、ぎっしり住宅や工場、ショッピングセンター、店舗などが立ち並び、一大団地となっています。
そんな母親も米寿。息子は還暦です。
時の経つのは早いものですね。
お送りしましたこの写心が!あなたの心に熱くした溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。