雲を破るように燃え出した朝焼けが、ぐんぐんパワーを送り込みます。
一気に体のメーターは満タンに近づきます。
やがて姿を現すであろう真っ赤な朝日が瞼に浮かびます。
山並みの中腹では👓SABAEの看板が負けじに赤々と輝いています。
側をスタッドレスのオクターブ高い音を残して車が通り過ぎる車の往来が、日の出の遅さを感じさせます。
そして、一斉に唸りを上げ出した家々のエアコン室外機が、人々の営みが始まったことを告げています。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りする写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
20リットル満タンの灯油のポリタンクを蹴飛ばして運ぶ母親。
物置小屋から約20メートル。
88歳米寿の見事なドリブルです。
初めてこの姿を見た時、我が目を疑いましたが、なんだか心がほんわかしました。
数カ月前、僕を分からなくなりました。居るわけもない子猫が5匹部屋にいると言い出しました。
「いよいよか」
腹をくくりましたが、僕にできることがまだまだあるんじゃないかと。
できるだけ多くの時を一緒に過ごして、いっぱい話そう。
そして、なんでもやってやるのではなく、出来るだけ自分でやれることはやらせよう。
2カ月ほど前、
僕のことを以前のように、「お兄ちゃん」と呼ぶようになりました。
1カ月ほど前、
「猫の家族の姿がなくなってんた。幻やったんやろか」と笑い飛ばしました。
その夜、寝室で久しぶりに大泣きしました。
「よかったあ」
今では、以前のように普通の親子の生活です。
洗濯と飯炊きは母親の係です。
食事の用意、買い物、掃除、ゴミ出し、仏壇のお参りなど僕の係です。
なのに、僕が仕事に行っている間に、家の周りの落ち葉を掃きます。僕なら、5分で終わるゴミ出しも休み休み30分掛けて持っていきます。買い物も、介護タクシーで行っちゃいます。
なんでも自分でやらないと気が済まない昭和の女です。
「どんだけ働きもんなんや」
今朝のルーティーンは、神秘的な夜明けの中でした。
まだまだ世の中が寝静まっている頃の出発です。
雲を裂くように朝日が昇ろうとしています。
真っ暗の中走るのは好きではないので、これからしばらくは、時間との争いになります。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。
12月19日 7.23キロ 56.02キロ
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