夜の帳が落ちて、水面と空の区別がつかなくなる時、灯った灯りが揺らめき始めます。
激しい雨が上がり、夜の静寂が心を鎮めてくれます。
昼間の嵐が何もなかったように、ゆっくり揺れる水面に身を任せる灯りを眺める時、
二度に渡り、激しい炎から逃れてこの水面に同じく身を任せて天国に旅立った多くの英霊たちが、瞼に浮かんで涙が溢れます。
自然の猛威に負けることなく、灯りを繋いだ喜びの涙でもあります。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りする写心の定期便「maguroストリーム」。
お供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
福井城址 お堀の灯り。
暴れる台風6号を鎮めることができました。
大雨の影響で急遽、規模を縮小。ろうそくからLEDへ変更の苦渋の選択。
いろんな決断、苦難を乗り越えて、
「途絶えさせてはならない灯りなんだ」
地区の人たちの熱い想いが灯した灯りです。
第10回の節目の年。鎮魂の灯りは繋がりました。
台風で荒れたお堀が、灯りがオレンジ色に瞬く頃には、嘘のように静けさを取り戻し、ここで散った多くの命を鎮めているようでした。
鎮魂の灯りと街の灯りが水面に同化して、それはまるで、亡くなられた先人たちの魂の灯りが宝石のような輝いているようでした。
お越し頂き、手を合わせて頂いた皆様、ありがとうございました。
スコールのような激しい雨が水面と体を打ちます。
「なんとしても灯りを灯すんだ」
そんな思いで、輪灯を一つ一つカヤックで運びました。
もう一つの涙。
この話は、もう終わりにしようと思っていました。
今朝、いつもの珈琲処で聞こえてきた会話。
「なんで投げさせないんだ」
「160キロを見たかったんだ」
「監督の采配があかん」
「監督を辞めさせろ」
・・・。
人目を忘れて涙が溢れました。
そして、大船渡高校への抗議相次ぐことを報じるテレビでの、ある甲子園常連校で強豪と言われる高校の監督の談話、
「限界までやるのが高校野球。やらせるのが監督」
怒りではないんです。ただただ悲しいのです。涙が出るのです。
台風一過の太陽の日差しが燦々と降り注いでいます。
この青空のようには心が晴れません。
そんな朝です。
お送りしましたこの写心が、
美しくあなたの心に溶け込んでいきますように。
写人がお送りした写心の定期便「maguroストリーム」。
お供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。