梅雨空が堪えきれずに涙を流す時、
それは時間が経つとともに、一層号泣になります。
慌てて逃げ込んだ軒下から滴り落ちる雨粒は激しさを増します。
ふと、15年前に想いを馳せれば、
雨、泥、暑さと懸命に闘う人々の姿が瞼に浮かびます。
これからのひと時。
写人がお送りいたします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
さあ!今のうちにと飛び出したものの、3キロも走らないうちに激しい雨。
堪らず小屋の軒下に避難。雨樋から流れ落ちる雨粒をじっと眺める。
落ちては跳ねる。落ちては跳ねる。一定のリズムで繰り返される水滴を見ていると、
催眠術にかかってしまったように、ある光景が走馬灯のように流れては消え、流れては消えリフレイン。
そう、きょうは福井豪雨から15年。
母なる川、足羽川が堪えきれずに力尽きた決壊地点。
そこから闘いがはじまった。
泥をかいても、かいても、終わりが見えない闘い。
写心を撮っていても、辛くて辛くて。
そんな日々の連続だった。
昨年のきょうは静かに朝日が昇った。
あの時が嘘のように穏やかな流れ。
木田橋上流の80メートル。
街中に溢れ出る真っ茶色な水を呆然と立ち尽くして見ていた。
何を出来るわけでもない。
只々、街を飲み込んでいく川を眺めることしかできなかった。
今は、川底が深く掘られた。
しかし、大切なのは心。
この日を忘れないようにしよう。
体を伝う汗の冷たさに、我に返ります。
止むことのない雨にしびれを切らして駆け出せば、汗と雨の区別がつかなくなります。
お送りいたしましたこの写心が、
あなたに元気を届けられますように。
写心がお送りした写心の定期便「maguroストリーム」。
お供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。
7月18日 2.75キロ 69.24キロ
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