今季は残暑はないのかー。虫たちのそんな〝会話〟が聞こえてきそうな朝は、ルーティーンのペースも上がります。
頭につけたライトが、軽やかなリズムを刻みます。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
オリ・パラで一番感動した。
66歳。
日本選手最年長の西島美保子選手。
リオデジャネイロ大会の脱水症状による無念の途中棄権から5年。
「中途半端でいいのか。この悔しさは東京で晴らす」
スタートしてから3時間30分、ガイドランナーに縋るように前のめりになってゴールを目指す姿がようやく国際映像に飛び込んできた。
今にも倒れそうになりながらも懸命に前へ。ゴール間近の国立競技場への誘導路で、柵にもたれて肩で息をする後ろ姿が写った時、一気に涙が溢れた。
がんばれー。
声が出ていた。
そして、一歩、一歩と走り出した。
ガイドランナーに抱き抱えられながら、
5年3時間29分12秒でのゴール。
わずか数分の映像。
しかし、瞼の裏にはスタートしてからゴールするまでの姿が映像はなくても、全て焼き付いている。
そんな数分だった。
8位入賞おめでとうございました。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。 皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。