台風が近づく朝は、
生暖かい南風が吹く蒸し暑い夜明けを迎えます。
季節外れの秋風に力尽きた銀杏の葉が一枚、
はらはらと秋桜の花に舞い落ちます。
下り福井行き一番電車が、黄色いヘッドライトを輝かせてススキの穂を揺らす時、
東の彼方、文殊の頂を覆う雲間から光芒一閃、日の出を告げます。
同時に、地面に落ちた大粒の雨粒が朝日を受けて輝きます。
これからのひと時。
写人がお送りする写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様とお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
「何か一つ足りないなあ」
銀杏の木の下に咲く秋桜を撮っていると、
台風の影響で強く吹く風で、銀杏の葉が舞い降ります。
写心の神様が舞い降りました。
朝のルーティーン僅か1時間ほどの間に、神様は時々会いに来てくれます。
そして、信じられないチャンスをプレゼントをしてくれます。
「生かすも殺すもお前次第」
とでも言っているように、無造作に置いていきます。
神様との、そんなやり取りを楽しむひと時が、堪らなく好きなのです。
〝富士山〟を飛び越えて。
今はもう秋。誰もいない田んぼ。
そんな歌が耳の奥に響き、瞼の奥には古里の原風景が浮かびます。
ルーティーン中、いろんな光景に出会います。
籾殻燻炭。
土を豊かにして田畑を豊作にしてくれる、先人たちの知恵です。
昔は、稲刈り後の田んぼが一斉に燃やされて、至る所で煙が上がっていました。
最近ではあまり見かけなくなった日本の秋の原風景です。
突然の大粒の雨に、ペースを上げます。
地面に落ちた水玉模様の雨粒は、あっという間に広がり、朝日に輝きます。
大空を覆った雲に光芒が美しく放射線を描いています。
夏秋同居。
川べりに咲き誇る秋桜に、
「私もまだまだ咲くわよ」
と、向日葵が風に揺れます。
夏から秋へ襷を渡す時、
季節の移ろいを実感します。
神様とひとしきり遊んだ朝は、
季節外れの暑さを感じさせない爽やかな朝です。
お届けしましたこの写心が、あなたの心に美しく響きますように。
写人がお送りしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。
10月3日 5.88キロ 12.64キロ
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