東の彼方がオレンジ色に染まった暁は、
すでに晩秋の佇まいです。
遥か漆黒の上空には三日月が、ひっそりと浮かんでいます。
吹き抜ける風に、ススキの穂が揺れる音だけが時の流れを感じさせてくれます。
眼下の雲海を渡りたくなる朝です。
これからのひと時。
写人があなたにお送りいたします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
ビギナーズラックではダメなのです。
偶然ではなく必然にしないとダメなのです。
このための準備は徹底的にやります。
そして、本番は一発で決めます。
80点。
そう、どんなに劣悪な状況でも最低80点はコンスタントに取る。その準備が生きます。
写心。
写真はカメラで撮るのではない。心で撮るのです。
残り20点に心を込めます。
未だに100点目指して、現場に通う日々です。
今朝の写心。
朝日。
雲海。
ススキ。
白山連峰。
荒島岳。
オレンジから濃紺のグラデーション。
全てを揃えるための準備は万端。
悠久ロマンの杜エボシ山山頂からは、全て揃っている。
イメージ、絵コンテ通り。
あとは、暁天の一瞬を逃さずシャッターを切るだけ。
コンプリート。
ずっと気になっていた熊の気配。
間違いなく近くにいる。
雲海の下から、夜明けを告げる鐘の音が秋風に乗って聞こえてきます。
気が付けば、天空の三日月は姿を消しています。
真っ暗な空と区別がつかなかった西の彼方の水平線が青々と姿を現します。
お送りしましたこと写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお送りした写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。