窓の向こうからはビュービューと唸り音が、
レースのカーテンには、木々の影が不気味に揺れています。
時折、網戸が右往左往。
いつもなら静寂なしじまが、騒がしくて眠れない夜となりました。
一夜明けて、
恐る恐るカーテンを開ければ、
風は強いものの、雨は上がっているようです。
近くの川の水位が通常レベルであることを河川情報が告げています。
テレビからはアナウンサーの悲鳴にも似た訴えが流れてきます。被害の映像が届くたびにトーンが上がってゆきます。
これからのひと時。
写人が、あなたにお送りする写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
玄関先、駐車場が落ち葉で大変なことになっていました。
「落ち葉もまた風流」。無類の侘び寂び派です。
ご近所さんには迷惑だったかもしれませんが。
流石に今朝は、秋の風情を通り越して、埋もれている感じです。
やはり、何事もほどほどが風流なんですよね。
昨夜は、心細かったのか、
「わたしにもちょうだい」
「えっ。呑んだことないやろ。大丈夫なんか」
「ゴクッゴクッ」
喉がなるのを聞いた瞬間、
「ゲボッゲボッ。ガァーッ」
あのぉ、それロックなんだけど。
「お茶やないんやから」
「エヘッ」
笑ってごまかすなっちゅうの。
「どやった?もういらんやろ」
「チビチビなら呑める」
夜の楽しみが増えました。
一面水浸しと化した街。屋根の上で助けを求める人たち。ヘリコプターやゴムボートで助け出される人たち。
次々に流れる被害を伝える映像が、胸を締め付けます。
15年前の福井豪雨が、瞼に浮かびます。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に穏やかに溶け込んでゆきますように。
写人がお届けした写心の定期便「maguro」ストリーム」。
皆様のお供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。