syabito’s blog

写人です。走り回ること、山に登ること、写心を撮ることが好きで、人呼んで「鮪」と発します。

弾丸

暁のグラデーションが段々薄くなるとき、

遠い地平線から真っ赤で真ん丸の朝陽が姿を見せます。

機上の人となって、小窓の向こうに広がる雄大な景色に目をやれば、

雲海の遥か彼方に、日本地図でお馴染みの島影や、未だ雪を頂く奥羽の山々が眼下に広がります。

地平線はやがて、遥か上空の雲と区別がつかなくなり、歴史の旅の始まりを告げています。

写人が、あなたにお送りする写心の定期便「maguroストリーム」。

皆様のお供を致しますカメラマンは、わたくし、福田正美です。

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県立名古屋空港けら、フジドリームエアラインFDAで一っ飛び。

約1時間でいわて花巻空港に到着。

機窓の景色は素晴らしさで、高くて木が生えず岩肌の北アルプスの山々、日本海に浮かぶ日本最大の佐渡島、雪が残る奥羽山脈連峰は、まさに絶景。

あっという間の1時間。

早朝からテンションアップ。

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世界遺産平泉。

20年前、岩手インターハイ取材に追われて、訪れることができなかった平泉。

千年も前、京都、鎌倉と並んで、ここ東北の地に約10万人が暮したという。

大火でも焼け残った藤原氏一族の墓、全ての金箔を施した金色堂を見ていると、栄華が偲ばれる。

「夏草や 兵どもが 夢の跡」

夏草が生い茂る風景を目の当たりにした芭蕉は、藤原氏滅亡の裏にある栄華の儚さを思ったのでしょうか。

弁慶と義経

弁慶の素顔を初めて見ました。まさかこんなに強面とは。

今度は錦秋の頃、訪れよう。京都の紅葉と同じく伽藍が真っ赤に染まると言う。
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今回の岩手訪問の最大の目的、歴史家の方にいろいろ、知恵を授かった。

熱がこもりすぎて、周りの方に迷惑をかけたようだ。

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斎藤實。偉大なる凡人。

岩手の生んだ二人目の総理大臣。孤高の政治家。

「自力更生」。自らの力で道を拓くことをモットーに、

五・一五事件の時は総理大臣として問題解決に尽力した。

昭和天皇直属の内大臣に拝命されたが、二・二六事件で凶弾に倒れ、壮絶な生涯を終えた。

自宅で寝込みを襲われた時、春子夫人は、「私を撃ちなさい」と立ちはだかったという事です。

後藤新平。先見の政治家。

医学を学び、愛知病院長の時、当時自由党総理だった板垣退助が岐阜事件で襲撃を受けた際叫んだとされる、

「板垣死すとも自由は死せず」

を受けて、

「本望でしょう」

と言ったと言う。

南満州鉄道の初代総裁を務めた際、鉄道、港湾の整備、都市づくり、住民の生活の安定に尽力した。

満州から帰国すると、近代日本を築くために活躍。鉄道院総裁を3度も務め、鉄道の線路の狭軌から広軌化と、東京駅建設に情熱を燃やした。

広軌化は、70年の時を経て新幹線が生まれた。

東京駅は、地震に強いようにと高層ではなく横に広い現在の造りにしたと言われている。

また、東京市長時代には近代都市化を目指して、国家予算が13億円の時代に8億円の巨大事業の計画を立てて、「大風呂敷」と言われたことも。

関東大震災で壊滅的な東京を、帝都復興院総裁として世界で初めて区画整理による都市計画を進めた。

先見の政治家と言われる所以だろう。

また、今では当たり前の公民館第1号の後藤伯公民館もあり、奥州という地は、先見の文化があるところだと思った。
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遥か向こうの地平線は雲海と区別がつかなくなります。

上空の青空にぽっかり白い月が浮かんでいます。

機窓を横切る雲の流れがスローモーションのように流れてゆきます。

時速千キロ近いスピードを感じさせるものは、何もありません。

真っ赤な夕日を追いかけるように昇る白い月が、たゆみない宇宙の営みを告げています。

お送り致しましたこの写心が、美しくあなたの心に元気とともに溶け込んでいきますように。

写人がお送りした写心の定期便「maguroストリーム」。

お供を致しましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。

 

8月12日 6.02キロ 44.40キロ

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