過去にスープを飲み干せたラーメンは三つ。
実は好んでラーメンは食べない。ラーメン好きの仲間と食べに行く程度。一人で食べに行くことはない。
二十数年前、一杯のラーメンに出会った。
まず一杯目。
今話題の「まほろば」に行ってきた。
福井市の「めん屋さる」と石川県金沢市の「そらみち」がタッグを組んだ。
決め手は福井の「水」のようだ。
今回は「煮干しそば」。文字通り、煮干しと水のみ。運ばれてくるとまず驚いたのが香り。煮干しそのものの香りが鼻から体内に飛び込んできた。硬めに茹でられた麺とともにスープまで一気に平らげた。
二杯目が、熊本県で出会ってしまった「黒亭」の熊本ラーメン。1990年代、国体、ボートの取材でよく熊本を訪れていたんだけど、とても寒い日があって堪らず一軒のラーメンらに飛び込んだのが2代目のお母さんが営んでいた黒亭。こってり豚骨スープは苦手だったんだけど、とてもスッキリしていて特徴の焦がしにんにく油が香ばしさを醸し出して、寒さも手伝って、もちもちとした中太麺をあっという間に平らげてスープもごくごく。
この味が忘れられなくて、なんと一週間通ってしまった。
その後、熊本に行くこともなくなって忘れていたんだけど、2016年の熊本地震で「黒亭」が炊き出しを行なっているという三代目店主のニュースが目に入った。お孫さんだった。
「あの黒亭が。。。」
胸が詰まってしまって。
当時の味やおしゃべりしたことなどが走馬灯のように思い出されて、気が付いたらメッセージ送ってた。
本当は熊本まで駆けつけたかったんだけど、タイミングが合わず悔しい思いをしていたんだけど、名古屋と金沢で開かれる九州博の出店すると聞いて車飛ばして会いに。
もう、一気に20年の歳月が一気に蘇る味で美味しかった。三代目店主のお孫さんにも会えた。
まだまだ復興半ばだけど頑張って欲しい。
お取り寄せできるので是非食べてみて。
飲み干し三杯目は「真竜ラーメン」の「青(ちん)にんラーメン」。
透明度の高いスープが極細麺に絡む絡む。
決して嫌いなわけではないが日頃あまり食べないラーメン。
でも、思い出が詰まった一杯のラーメンの味が忘れられないでいる。