am6:50
仕事に向かうため自宅扉を開けた瞬間、
「撮りなさい」
am6:10
鳥の囀りで目が覚め、テレビをつけると映像作家、保山耕一さんの特集が流れてきた。
同じ大腸がんと闘いながら奈良の風景を撮り続けている。テレビカメラマンをしていて病気で仕事ができなくなった。年齢も近いし、同じカメラマンであり、考え方や行動が驚くぐらいよく似ている。
お互い動画と静止画で「生きるを伝える」。
am6:45
番組が終わり、流れた涙を拭って自宅を出た瞬間の声だった。
それがこの一枚。
どこにでもある風景だ。
何を撮れと言うのか。
すぐに答えは出た。
「風だ」
静止画でどうやって伝える?
「光だ」
初夏の風が心地よい一日のスタートとなった。