平成最後の桜。
力尽きて春風に舞う花びら。
儚さ故に美しい。暫し眺めていよう。
小鳥が啄ばんで舞った一輪。日本水仙の花びらがそっと柔らかく受け止めた。
そんな光景を目にしただけで、今日1日頑張れる気がする。
はらはらと落ちる花一輪が水仙の花で跳ねた。
まるで水仙が、痛くないように優しく受け止めたようだった。
そして、また一輪。
そんな朝は大空に想いを馳せて、お気に入りのJET STREAM。
ブラックコーヒーを胃袋に流し込むめば、あっという間に40年前にタイムスリップ。
「浮雲にこころをよせ、大空に羽ばたく鳥を思えば、軽やかな時が流れていきます」
「ミスター・ロンリー」に乗って城達也の名調子で始まる。学生の頃よく聴いていたよなあ。
機長、スチュワーデスの機内アナウンス。世界の国際空港の案内アナウンスが散りばめられた名曲の数々。ジェット機のエンジン音。全てが楽しかったな。
毎晩午前零時、バイトして買ったラジカセでエフエム東京聴いて夜更かし。
昨日は選挙が終わり、久し振りに早い退社。
一瞬雲間から差し込んだ夕日の悪戯で足長爺に。
そして馴染みの酒場に吸い込まれた。還暦爺とアラ還の友人との第二の人生についての濃い話。
気がつけば、JET STREAMが始まる時間なってしまっていた。
「もう、終電ないよ」。
マスターがタイムスリップの終わりを告げた。
こんな1日悪くないな。