長閑な昼下がり、突然轟音ともに〝恐竜〟が暴れ出します。
〝自分の背丈〟より遥かに大きいビルを食べています。
時代の流れとともに食い尽くされてゆくビルを夕陽が照らしました。
写人が、あなたにお送りします写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしますカメラマンは、わたくし、福田正美です。
とうとう慣れ親しんだ福井駅前の三角地帯が、
想い出など意に介さないとばかりに食べられてゆきます。
窓を開けて、暫し呆然と見つめます。
どんどん想い出が音を立てて消えてゆくようで、とても切ない気持ちになります。
2023年3月には、地上28階120メートルの巨大なビルが建ちます。
思い返せば、昭和20年、昭和23年と戦震災によって不死鳥の如く蘇った県都。
75年時を経て、新しく生まれ変わります。
でも、激動の時代を生き抜いた一時代を築いた人たちは此地を去ります。
まちづくり。
本当にこれでいいのか。
形は近代的になっても、中身はホテルやマンションばかり。商店は全国チェーン店ばかり。
未来への土音が響き渡った今でも、自問自答を繰り返しています。
しっかり目に焼き付けておきます。
やっぱり福井は恐竜の街です。
そんな、まちづくりがあってもいいのではないでしょうか。
お送りしましたこの写心が、あなたの心に美しく溶け込みますように。
写人がお届けしました写心の定期便「maguroストリーム」。
皆様のお供をいたしましたカメラマンは、わたくし、福田正美でした。